寝る前にシナリオ集なんて読んだもんだから

わたしは5121小隊に所属している兵士です。2組なのでたぶん整備士。
今日は尚敬高校の合唱コンクール。わたしは指揮者でした。
広い体育館のステージの上に2組の生徒が上がり、歌を歌っているさなか、突然照明が死に中は真っ暗になりました。
わたしはハッとして、茜君がいる辺りを見ました。
茜君は暗闇恐怖症で1)原作にそんな設定はありません、彼と幼馴染みのわたしはそれを知っている数少ない人間のうちのひとり。
茜君は性格上、自分が暗闇恐怖症であるなど死んでも知られたくないようでした。
闇の中で、茜君はパニックになり、叫びながら走りだそうとしていました。いけない、助けなければ。そう思ってわたしが動き出すより早く、ステージに人の気配が向かって来るのがわかりました。
ステージを飛び降り、泣きわめきながら出口に向かって走りだす茜君の口を塞ぎ、恐怖で暴れるその体を床に押さえつけたのは、1組の速水君でした。
速水君は泣きながら暴れる茜君の体をきつく抱き締め、彼の混乱が治まるのを根気強く待っていました。

ようやく茜君が我に返る頃、速水君はさっと茜君から離れ、闇の中に消えて行きました。
わたしはぼんやりしている茜君のそばに遠慮がちに近づきました。茜君はびっしょりと汗を掻きながら、涙目でわたしを見上げました。
「おまえか?」
今自分を抱き締めていたのはわたしか、と訊ねる茜君に、わたしは答えをためらいました。
茜君はよりによって速水君に自分の弱味を知られていること、それから助けられたことを知ったら、きっと怒り、恥じらい、口惜しがると思ったのです。

そしてわたしはただその様子をみていただけのはずなのに、なぜか、茜君の細く汗ばんだ肢体を抱き締めた感触を、その息遣いを、覚えていました。
茜君の金髪からは汗の匂いが立ち昇り、それは決して不快な香りではなくわたしは陶然としていました。
半ズボンから伸びた剥き出しの腿は温かく、怯えて震える様子がとても官能的でした。

などと書き出してみたらものすごく自分が変態っぽい気がしてきたよ。
寝る前に見たのが、ののみにぎゅーされて「精華みたいな奴なんて大嫌いなんだからなああああ」と泣きながら逃げる大ちゃんのシナリオ部分だったので、こんなわけのわからない夢を見たのでしょう。泣きながら逃げる大ちゃん。ありえなくてキュンとします。
今日は一日茜に恋をしていました。
あー自分がキモい。

References
1 原作にそんな設定はありません

夢日記

Posted by eleki