「お部屋様」、という業者の謎の呼称

マンションの設備関連の業者がやってきて、同居人の管轄だったので彼女が玄関先で彼らとやり取りしているのを何となく居間で聞いていたんだけど、ものすごく不思議だったのが、業者が同居人を呼ぶ時の、

「お部屋様」

という呼びかけです。

「お部屋様は、現在どちらの会社とご契約されていますか?」
みたいな調子で話しているんだけど、

お、お部屋様…?
愛妾に対する以外でそんな呼びかけをするのか、こういう時は。
とものすごくビックリして、おもしろかった。

業者の顧客ではなかったので「お客様」と呼べなかったのかもしれませんが、名前はもう知っているので「(名前)様」とかじゃいけなかったのだろうか。

それとも業者的には、部屋の設備をどうこうする仕事だから、部屋に対して最大の敬意を表して、部屋に対して、「お部屋様」と表現したのだろうか。

トイレの業者だったら「お手洗い様」とか台所だったら「お台所様」とかになるのだろうか。

この「業者の客に対する呼びかけの不思議」で思い出すのが、葬儀屋なんですが、父が亡くなった時に主に葬儀屋の対応をしていたのが兄で、そうすると葬儀屋は兄に対して、

「ご長男様」

と呼びかけていたんですね。

ご長男様…一人息子の場合はどうするんだろう。息子様?

葬儀の対応をするのが高確率で身内、つまり同じ苗字になるので、これは「(苗字)様」と呼ぶのが難しいし、だからって下の名前で「(名前)様」って呼ぶのも距離感がおかしいし、名前を覚えるのも大変そうだし、やっぱり汎用性のある呼び方をするしかないのかもしれない…が。

娘一人だったら「お嬢様」なのだろうか、お嬢様に対する呼びかけといえば「お坊ちゃま」だけど、葬儀屋の対応ができるくらいの男性に対して「お坊ちゃま」はないよなと思いつつ、既婚のそれなりの女性に対してだったら「お嬢様」だっておかしいよな、でも「娘様」も変だし一体なんと呼びかけるのだろう…。

昔、新井素子さんの「結婚物語」を読んだ時は、花嫁の妹に対して「お妹様」と呼んでいたのがなぜか記憶に刺さって、父の葬儀の際も「お妹様」って呼ばれるかしらとなぜか楽しみにしていたんですが、私の出番が特になかったために呼ばれることがありませんでした。

お兄さんが複数いる時は「ご次男様」とか「ご三男様」になる予測は付くんですが、妹が複数いる時はどう呼び分けるんだろう?

と折りに触れ考えるのですが、いつか何かの業者に不思議な呼び方をされる時に驚きたいので、あえて調べていませんでしたが、いろんな業界で客に対してどう呼んでいるのか、どんどん気になってきた。

日常あれこれ

Posted by eleki