・・・・・・・・バカップル被害者による座談会・・・・・・・・

「当て馬」君たちが作品を超えて愚痴りあう&『バカップル被害者による座談会』をやっていただきたいです!(メンバーは『ブラザー・コンプレックス』山本、『熱愛』国見さん、『逃がさない』比夏さん、『間隔の鼓動』三田、『Poeta』相原さん、『プライベート・タイム』氷室さん…辺りのもろに被害を受けていそうな方々で)

相原康英(以下相原)「えー、またしてもこのような場で僭越ながら司会進行役を勤めさせていただくことに相成りまして、光栄ですっつーかめんどくせっつーかの相原康英と申します。出身地は『Poeta』とか『refrain』とか何かその辺! 職業バンドギタリスト及びさすらいの旅人でございます。はい次、時計回りに」
山本「山本です、名前はまだない。出身地は『ブラザー・コンプレックス』、主役の人の親友で生徒会副会長です」
相原「眼鏡です」
国見高広(以下国見)「俺は高広だったんだ……こんにちは、都合のいい男、医者の跡継ぎ国見高広です。埼玉県羽生市で高校生をやってます。出身作品は『熱愛』。当て馬として生まれ当て馬として生きています」
相原「身も蓋もない」
比夏吉彦(以下比夏)「比夏です、高校三年バスケ部引退済み、『逃がさない』で見事な当て馬ぶりを演じました」
相原「やっぱり身も蓋もない」
三田聡(以下三田)「えー、三田です、職業男子高生、陸上部所属中長距離ブロック、専門は800と1500、今年のインターハイは惨敗です」
相原「いやインターハイに出場してかつ決勝戦に残るなんてすごいとお兄さん思うぞ〜、青春だぞ〜」
三田「どうも(笑)。ええと出身地? は『間隔の鼓動』、すごいタイトルです」
氷室「代議士鴫野京介の第一秘書を勤めております、氷室と申します。『プライベート・タイム』という作品に、恥ずかしながら登場人物として名を連ねさせていただいております」
相原「最年長です」
氷室「放っといて」
相原「以上、6人で座談会を決行したいと思います。かなり切ない系の話し合いになること請け合いです。 ではまず青少年の主張。我こそがもっともバカップルどもの被害に遭っていると思う人、挙手!」

(相原・国見・比夏・氷室の手が大きく上がる)

相原「(山本・三田を見て)あら、君たち主張しないの?」
山本「俺は別に、被害っつーようなもん受けてないからなあ。久野っちが表情というか感情豊かになったのは本気で喜ばしいし、まあ、親友の成長を喜びこそすれ、迷惑だとは思わないし」
三田「俺も、自分が迷惑ってことはないからなあ。萱野が調子悪かった時は腹は立ったし、いちゃいちゃしてる今は見てて照れることはあるけど」
相原「ああいいよね、平和にいちゃいちゃしてる分には『アホかこいつら、殴ったろか』と思いつつも、実害があるわけじゃないし。……何でそういう時の方が少ないんだ……?」
氷室「いちゃいちゃしてるのを見れば見るほど嘆かわしいうちのふたりはどうすればいいんでしょうか」
国見「俺は揉めてる最中は巻きこまれて迷惑だったけど、半分自分で進んで巻きこまれたし、今は可愛い後輩ふたりが倖せそうだからいいやとは思えるかも」
比夏「ああ……もしかしてこの中で俺が一番不幸なんじゃないのか……」
相原「そう?」
比夏「(頷き)だってこの中で直接バカップルの片割れに振られてるのって俺だけだ(半笑い)」
相原「……ああ(同情)」
山本「当事者は大変だー」
氷室「でも君たちは学生じゃないか、まだ人生に関わるほどの問題を抱えているわけじゃないじゃないか」
相原「いやこっちも人生かかってますけど」
国見「うわ感じわりーな、学生だって世界が狭い分いつでも必死だぜ?」
氷室「しかし事態が公になった時、一番騒ぎになるのは間違いなくうちの先生だ。そしたら議員を続けられなくなって、必然的に私も失職で」
相原「うちだって18歳未満相手で淫行罪だぞー」
山本「何か自慢大会みたいになってきたな」
比夏「俺なんか失恋したんだぞ」
国見「(よしよし)」
三田「まあ俺も微妙っちゃ微妙なんだけど」
相原「何が?」
三田「もしかしたら失恋したのかもなーとか」
山本「結局あれだよな、独り身にバカップルの痴話喧嘩が染みるという被害」
相原「俺彼女いるもん」
氷室「新婚です」
国見「固定じゃないけどいつも誰かしら」
山本「とか言ってる俺もいるんだよね」
三田「俺も結局部活が一番大事だから実のところ大した問題じゃない」
比夏「……やっぱり俺が一番可哀想じゃないか……」
相原「よし、じゃあ比夏君が全日本バカップル被害者選手権一等賞!(片手持ち上げ)」
比夏「う、嬉しくねえええええええ!!!!!!!!」
山本「でもさ、フラれるなんて誰しも体験することだし、そこで自分を振った相手を加害者って定義づけすんのは何だかなあじゃね?」
国見「え、俺本気出して口説いてフラれたことないけど」
相原「あ、俺もねーわ」
三田「軽い殺意が芽生えるような発言は今の台詞に対する主旨からも外れるし慎もう」
比夏「それはなー、おまえらなー、俺の立場になって言えるもんなら言ってみろ……相手があの森島でも永作でもなければああまで見事な当て馬ぶりは演じられなかったぞ……」
相原「ナーイス・アシスト☆(親指ぐっ)」
国見「お兄さんお兄さん、ヒナちゃん泣いちゃうから」
相原「あ、ごめんごめん嘘、重たい空気が嫌でつい……」
比夏「泣かねーよ!」
山本「でもある意味、救いもあんじゃね? だって好きだから自分で巻きこまれたってことだろ、恋愛沙汰が絡んだ関係なら。自分で望めば巻きこまれないようにはできるわけで」
氷室「真理だ。感情に関わりのない状況で巻きこまれる場合、自分で立場を選べない」
三田「本気で嫌だったら秘書辞めればいいんじゃないのか……?」
氷室「き、気軽に言ってくれるな学生めが……(おののく)」
相原「俺なんてなあ、俺なんて、巧の我儘とか病的な部分で仲間一同振り回されてるのに、そういう頭のおかしいところがないと今の<GLASS RIPPER>もないから仕方ないとか思ってるんだぞう……」
国見「それは自慢なのか、何なのか」
相原「諦めだわい」
山本「結局被害者だって名乗りつつ、全員好んで巻きこまれてんじゃねーの? 最終的に」
三田「だよな」
国見「あ、ヒナちゃんが薄くなってる」
山本「(時計見て)あー、俺別に被害受けてもないし生徒会室で久野っちたち待ってるからかーえろ」
三田「俺も、部活行かないと」
氷室「む、そろそろ先生を寝室から引きずり出すべき時間……」

山本、三田、氷室退場

相原「じゃ、俺も仕事いこーっと。あ、当て馬の人たちは次があるから待機ね」
国見「進行役が抜けんのかよ」
相原「大丈夫大丈夫代役呼んであるから。おーい(遠くを手招き)」
佐々木則和(以下佐々木)「ん、呼んだ?(ひょっこり)」
相原「バトンタッチ(佐々木の手を叩き)」

相原退場

佐々木「んー?(じっと手を見)」
比夏「あ、バカップルの片割れに振られた人(指さし)」
佐々木「(笑顔で)はあい、現在新婚生活まっただ中・佐々木則和19歳です☆」
比夏「(薄く)」
国見「馬鹿だな、ヒナちゃん、メガンテ不発だよ……」
佐々木「んん?(進行表を見つつ)ああ、当て馬対談ね。あと当て馬って誰がいるかな」
国見「塚本(おうちバイバイ)とか、恭平兄ちゃんとか(青春のよろめき)、あれ、御幸さんと縞さんは(こころなんてしりもしないで)当て馬?」
比夏「越生夏美(Love letter)」
国見「怖いこと言うなあ」
比夏「究極の当て馬だな(うん)」
佐々木「やめよーよそれ……んー、完結してない話だと、誰が当て馬で誰が本命とかわかんないのがあるんだよねー」
国見「ポジション的には当て馬だけど、ひとことでそう言うには難しい人とか」
比夏「たとえば?」
佐々木「さっき出た御幸・縞とか、あと河埜・不破姉弟(ピルグリム)とか」
国見「あ、でももうひとり俺ら並に完全無欠の当て馬思い出した」
比夏「俺ら言うな」
佐々木「ああわかったわかった、あの人」
比夏「俺もわかったかも……」
国見「じゃあせーので」
佐々木「せーの」
一同「「「皆上さん」」」
佐々木「だよねー」
比夏「当て馬として生まれ当て馬として死んでいく(ふ)」
国見「いや死んでねーし。ていうかヒナちゃんキャラ変わってないか」
比夏「変わりもするわ(すさみ)」
佐々木「でもほら、望みは捨てちゃだめよ。続編とかで倖せになるかも知れないし。俺のように(微笑み)」
比夏「黙れ」
国見「俺さ、当て馬が当て馬たる法則に気づいたんだよ、最近」
佐々木「何?」
国見「(指立て)ヒント1、佐々木則和」
佐々木「俺かい」
国見「ヒント2、葛城南人(芸能略)」
比夏「?」
国見「ヒント3、比夏吉彦」
佐々木「あ、あー、わかった。かも」
比夏「何?」
国見「ヒント4、皆上さん」
佐々木「やっぱねー」
比夏「だから、何?」
国見「言っていい?(佐々木見て)」
佐々木「俺はいいけど(比夏見て)」
比夏「気になるから言えよ」
佐々木「じゃあせーので」
国見「せーの、」
佐々木・国見「「受け」」
比夏「(撃沈)」
佐々木「受け子が受け子好きになると報われないんだよねー」
比夏「うそー……」
国見「ほんとほんと」
佐々木「ヒナちゃんは永作のことが好きなら報われたのかな」
比夏「嫌だあれだけは嫌だたとえ上になる立場であったとしてもあれだけは!」
佐々木「続編で素敵な攻めの彼氏をみつけるといいよ(慈愛)」
比夏「……そうか……それが敗因だったのか……」
佐々木「狭い世界の法則としてね」
比夏「でも例外もいるんだろ」
国見「言ったら傷つきそうだから真実は言えないなあ」
比夏「何だよ」
佐々木「(肩ぽんと)あのね、他の子とくっつく人はね、出てきた作品の中でちゃんと女の子か、攻めとして他の子と何かしらの関係があるからね」
国見「そうそう、恭平兄ちゃんとか、鳥海さん(早春に降る雪)とかな」
佐々木「塚本なんか可愛い彼女と結婚予定だからね」
比夏「……(打ち拉がれる)」
国見「ヒナちゃんも、文乃とかとくっつく前兆がせめてあったら倖せになれたのかもしれないのにな」
佐々木「続編あったら受けだね。受け子になるね。決定だね」
国見「阿坂(放課後はとまどうふたり)なんか受けが受けに絡んでもつまんないって理由でノベルズの時に没になった設定だからな(本当)」
比夏「国見はどうなんだ」
国見「だから俺、作品中に他の女と仲よくしてるだろ? ヒナちゃん森島にしか手ェ出してないだろ?」
佐々木「俺も尚紀にしか手ェ出してなかったしねー」
比夏「俺ホモじゃないし」
佐々木「うふふ俺も(恥じらい)」
比夏「(顔覆い)」
国見「別に倖せになれるんなら何でもいいと思うけどな、俺」
佐々木「そうそう、不毛な片想いしてるよりマシだって」
国見「なあそんな落ち込むなって、じゃあ俺らがヒナちゃんにどんな彼氏が似合うか考えてやるから」
比夏「いらねえよ」
佐々木「そうだなー、ヒナちゃん面倒見いいから、生活力のない年上の人をぶつぶつ面倒見ながらってのがよくない?」
国見「あ、いいね、君は何で俺なんかに構ってくれるんだとか言われたり」
比夏「だから勝手に話し合うなっつーの!」
佐々木「君を抱きたい……駄目かな(声色)とか気弱に、でも真剣に言われて断れない比夏吉彦、18歳」
国見「それか傍若無人で強引な年下彼氏」
佐々木「はいはいはいはい、生意気な相手に腹を立てつつ、いつの間にか抗えずに半ば無理矢理……」
国見「あれそれって永作?」
佐々木「いいねいいね、ネオ三角関係だね!」
比夏「おまえら……おもしろがってるだろ……」
佐々木・国見「「うん」」
比夏「俺は! そもそもロリ系が好みなんだ!」
佐々木「俺も俺も」
国見「俺見映えよければ何でもいいや」
比夏「誰がおまえらの好みを聞いてるんだっつーの」
佐々木「(聞いてない)千家(恋のたくらみ)も受けなんだよね、小鳩(同左)が将来的に大きくなってさ」
比夏「俺だって……加藤という可愛い彼女がいたんだぞ……」
国見「作品始まる前に別れなきゃよかったのにな」
佐々木「まあほらあれよ、タチ悪いのといろいろあったんなら、むしろ巻きこまれなくてよかったと思えばいいじゃん。この先ずっと振り回されるのって嫌じゃない?」
比夏「それは……そうだけど……」
佐々木「俺は振り回されても結果的にはしあわせだけどね!」
比夏「……(薄く)」
国見「空気読もうぜ、佐々木!」
佐々木「あ、ゴメンね、今一番しあわせな時だから(恥じらう)」
国見「ああほらほら泣かない泣かない。大丈夫、ヒナちゃんかわいいからちゃんとそのうち素敵な彼氏ができるぞ」
比夏「だからいらないし可愛くねえし泣いてねえっつの!」
佐々木「何かもー面倒だからヒナちゃんと国見ができあがれば」
国見「ああいいね、それもひとつの愛の形で」
比夏「よくねーよ! だから俺ホモじゃないって言ってんだろ!」
国見「男とか女とか関係ない、俺はヒナちゃんがヒナちゃんだから好きになったんだぜ(真顔で詰め寄る)」
佐々木「駄目……月が見てる……」
比夏「見てねえよ! アテレコしてんじゃねえよ!」
佐々木「うまくまとまったみたいだからこの辺でお開きにしましょうか」
比夏「まとまってねえよ!」
国見「いいオチついたなー」
佐々木「じゃ、おしあわせにー」
国見「ありがとう」

泣き崩れる比夏、佐々木と国見ほのぼのと、終了。





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