【月刊連載】「悪女はメイドに甘やかされたい」10日/「死神と令嬢(原作)」第2金曜日更新/「令嬢ランキング(原作)」28日

刀剣-Touken- 刀が映す東御の歴史(けしき)New

東御市のプレスリリース(2025年9月19日 11時00分)【長野県東御市】刀剣-Touken- 刀が映す東御の歴史(けしき) ―― 昨年大好評の刀剣展、第2弾…
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いつもの刀剣旅行。

前の日に寒いところでは大雪が降ったというニュースを見ていたので怯えていましたが、ほんのちょっと木陰に残ってるくらいで雪の気配はほとんどなかった、よかった。

馬鹿みたいに晴れてました。

会場の梅野記念絵画館・ふれあい館では、現代刀匠宮入法廣氏の作品が主に展示してありました。
『京のかたな』に展示してあった骨喰藤四郎、徳川ミュージアムや羽田空港でも見た燭台切光忠の写しも。

骨喰はみやこの刀展の時に人が多すぎて並ぶのを諦めてしまったんですが、この梅野記念絵画・ふれあい館ではかなりゆっくり観賞できてよかったです。
彫りは私がお世話になっている府中愛刀会の展示で実演をやってくださった、刀身彫刻師の橋本琇巴さんの手によるものです。橋本さんは残念ながら先日お亡くなりになられたため、もっとお話を聞いておけばよかったなとつくづく悔やむ…新年会でお会いしたのが最後でした。

という後悔を抱いていたので、宮入法廣さんご本人が会場にいらっしゃった時、ここぞとばかりに作刀について質問してみたりした。去年も会場にいらしてくださったんですが、作品解説と、他の人と喋ってるのを、横でボケーッと聞いてるだけだった。
今回はもうド素人じゃなければ聞けないような質問をね、臆さずに聞きましたよ。あとで一緒に行った刀剣会の人に「渡海さん、よくあれ聞いたなと思ったよ…!」と感心されるような…いや感心というかドン引きされるような感じの…。
本当にアホ面を下げていないと聞けない質問をアホの特権でお訊ねしたところ、宮入さんは呆れもせず、大変丁寧にお答えいただいて、ありがたい限りです。長年の謎が解けた。
ほかにも、宮入さんにはたくさん興味深いお話を伺うことができて、面白かった…というか十年くらい刀の勉強をしていてまったく思い至らなかった事実などに気づかされ、蒙を啓かされた思いです。
実際刀を打っている人の言葉はすごい…。

そういえば最初に光忠の写しを見たのが十年前で、その時は「はえ~、綺麗ですな~」みたいな感じで口を開けて見ていただけなんですが、今では「なんでこの乱れ移りに気づいていなかったんだ…?」と我ながら愕然とします。
十年後にまた同じ刀を見て「なんでこれがわかってなかったんだろう」と首を捻ることになるんでしょうけど。
『移』にぴんと来てなかった私が「あ、これのことか!」と気づいたのが2018年開催の『京のかたな』の短刀ゾーンでしたが、あれから六、七年経って、あの時よりは塵のようなものとはいえ多少知識が増えたので、今の頭と目でもう一度あの展示を見たい…あの刀が集まることがどれほど奇蹟だったのか…当時から「二度とこんな展示が行われることはないだろう」と言われていましたが、本当、刀は一期一会ですね。

通っている刀剣会でも鑑賞用の刀を並べる時「これを出せるのが今回が最後です」と講師の先生がおっしゃる時があり、持ち主がいるものなので、その事情次第というところがあって(でも「もう出しません」と言った刀がもう一度出てくる時もあって、まさかあの刀ではないだろうと思って頓珍漢な入札をすることもある)、本当みなさんも刀お好きでしたらこれという展示がある時はなるべく足を運んでくださいね。その時を逃したら次に見られる機会があるかわからんぞ。
府中市愛刀会でも毎年展示をやっておりますのでよろしくね。

宮入さんの一番新しい作刀は令和七年弥生で、ピカピカでした。雲みたいな地沸が綺麗で、そうか刀というのは美術品なんだなあと美しさに感じ入りました。

あとは刀子が印象的でした、小さいのにすごく綺麗な直刃が入っていて、美術品なんだなあと言った直後にあれなんですが「こんな小さくてもちゃんと武器としても機能するんだな…」という感動がありました。使うものではなく飾るものでしょうけど、『絹糸みたいな直刃』がピー! っと入ってるのが本当に感動的でしてね。
正倉院宝物の刀子を再現模造ということで、対で完成させるのにすごく手間がかかったというお話を伺って、そもそも刀というのがとんでもない手間と時間と体力を使うものなんだろうなというのが伝わって、刀工の方には尊敬しかない。

刀子があまりに素敵だったので自分でも欲しいなと思ったんですが、多分私に手が出るようなものではないと思うので、展示で甘んじておこうかと思います。
品よく、可愛らしくて、一本くらい持っておきたいと思ったけど「一本くらい持っておきたいな」で手が出るようなアレでもないのはひしひし伝わってきました。

ほかにも東御にまつわる刀を観賞したのち、宮入さんの奥様から林檎をたくさんいただいて帰路につく。ありがとうございます。帰ってからその林檎を食べたら身の締まりと甘さがかなり強くて、ひさびさにこんなにおいしい林檎食べたわ。
同居人は留守番だったので、お土産に林檎買ってくるねと言っていたけど買う手間が省けてしまった。

帰りしなにツルヤに寄って、りんごジャムとか栗羊羹とか生ドレッシングとかツルヤオリジナル冷凍食品とかを買って帰りました。
長野に行くと毎回ツルヤに寄るけど、おいしいものがいっぱいある。

スーパーマーケット「ツルヤ」は最高レベルの鮮度・おいしさ・旬と安さを追及します。会社案内、店舗情報、ツルヤオリジナル商品、おすすめレシピのご案内。
www.tsuruya-corp.co.jp

ちなみにこのりんごかりんとうがあまりに美味しく、買う時に「多分おいしいだろうから一袋だと後悔するな」と思って二袋かったんですが、二袋でも足りない気がしてきた。

おいしすぎる! 甘酸っぱいのとちょっと香ばしいので手が止まらん、通販が、あるな…。
あとドライフルーツもおいしいらしいのに、私は医者に止められているためドライフルーツと木の実が食べられなくて悲しいです。果物はほぼりんごとバナナしか食べてはいけないんですが、りんごとバナナが好きでよかったし、りんごのおいしいお菓子と出会えてよかった。

毎度車での小旅行なんですが、行きも帰りも奇蹟的に道が空いていて、夕方のうちに東京まで帰ってこられた。
前の日にインフルエンザワクチンを打っていて、旅行の時は「頭痛いしちょっと怠い…?」くらいで、翌日もまあ旅疲れかなくらいの披露ぶりだったのが、翌々日に猛烈な頭痛と腕の痛みと腫れが出て来て泣いた。ワクチンの副反応を軽く見ていました。旅行の時よく平気だったなこれ!

刀の姿を反芻しながらりんごかりんとうを食べつつ、ここ数日は大人しくしています。

長谷部は何か知らんけどちょっとだけご機嫌ななめのままでした。