「能舞エヴァンゲリオン」…アニメ、古典に新境地

http://www.asahi.com/culture/stage/koten/TKY200611250232.html

 名作アニメ「機動戦士ガンダム」が講談に、「新世紀エヴァンゲリオン」が能になった。ガンダムなどモビルスーツ同士の戦闘が合戦の修羅場読みになり、クローン兵器であるエヴァに取り込まれた母の魂が鬼女の嘆きを発し、と意外な“シンクロ”を見せる。新旧の表現の融合から、ニュータイプの日本文化が生まれるのか?
「能舞エヴァンゲリオン」から、初号機を模した面をつけ舞う山井綱雄=埼玉県越谷市で

●エヴァンゲリオン×能

「ここやかしこに走りめぐり、火花を散らして戦いしが――」

金春流の若手能楽師山井綱雄が、暴走するエヴァ初号機となって舞う。綱雄のシテ、井上貴覚と中村昌弘の地謡、山口喬司の企画・原案による「能舞エヴァンゲリオン」が17日、埼玉県越谷市のこしがや能楽堂で試演された。

「エヴァ」の製作会社ガイナックスがホームページで1月から始めた企画「EVA AT WORK」の一つ。日本画やタトゥーなど様々な分野のアーティストに、「エヴァ」を題材とした作品を委嘱してきた。

「アニメで印象的だったのは、パイロットである息子シンジを思う初号機の激しい母性愛。これをテーマに、若い人に能のすばらしさが伝わる作品になれば、と思った」と綱雄。

既存の5曲を用い、「清経」でシンジの苦しみを、「生田敦盛」で修羅の戦いを、「恋重荷」で我が子を見守る母の心を表現した。

一般上演はしないが、12月23日からガイナックスのHP(http://www.gainax.co.jp/eaw/)で動画を公開する。

●ガンダム×講談

「その日のガトーのいでたちを見てあれば、右手(めて)にビームライフル左手(ゆんで)にジャイアントバズーカ腰にザクマシンガンを帯び、兜(かぶと)には指揮官用の角飾り――」

若手講談師の旭堂南半球が、「明智左馬助琵琶の湖水渡り」を基に創作した、ガンダム外伝「アナベル・ガトーの奮戦」修羅場読みのくだりだ。

大学卒業のころ講談を初めて聴いた時、1話ずつ山場が来る続き読みの手法に「これはガンダムやんか」と思った。

「セリフに力がある『ガンダム』の魅力は、言葉だけでも伝えられるはず」と、「ガンダム講談化計画」を胸に秘め00年、現4代目南陵に入門。古典約40席をけいこして経験を積み、今年3月にガンダム講談を初披露した。袴(はかま)の紋にジオン軍のマークを入れるなど、高座姿もガンダムらしくして上演する。10月には大阪で独演会もした。

南半球は「一人一人が孤立しているぼくらの世代でも、ガンダムという祭りを媒介すれば仲間とのつながりを持てる。講談会がそんな場になれば」と、各地での講談会を計画している。

紅天女は見たいと思っていたのに、思ったまま忘れていた。あれってどうなったのかな。

舞台,アニメ

Posted by eleki