まさか同じ月に二度入院するなんてわたしだって思ってなかった

Twitterご覧の方はご存じかと思いますけれども、前回のブログに「入院生活に続く」とか書いたその三日後に、また入院生活が始まりまして。
なお前回とは関係ない、まったく違う病気です。
病弱人生をやっていますが年どころか月に二度入院したのはさすがに初めてです。
笑うしかない…。

入院する二日前に、前回の入院とも今回のも入院とも関係なく、かかりつけ医で検査をしていたんですよ(こっちの結果はまだ聞きに行けてないので何が悪いのか未だに知らん)。
その時は元気で、このご時世だと元気じゃないと検査のために病院に行けなくて面白いなあとか呑気に思っていました。
いや面白がってはいけないのだろうが。病院の受付で「お熱とか、具合が悪いとかありませんよね?」って聞かれるたびに「病院で具合が悪いと受け入れてもらえない時代なのだな」と不思議な心地になったりしていた。

その日は血液検査だけだったのでパッと終わって、じゃあ一週間後に結果聞きに来てねと言われて何ごともなく帰宅して。
でも夜くらいからどうも体の調子が悪くて、段々嫌な予感がしてきました。
割としょっちゅう起こしている胃痛で、そこから下痢嘔吐が止まらず数日間何もできなくなるやつの始まりの予感です。
ひどい時には月に一度は起きていたのが、最近は半年に一回くらいに収まっていた。
その半年に一回がまた来たのだろうか…と思いつつも、「でも軽い時もあるし、明日には治ってるかも」と自分を宥め、何も食べずに(というかもはや食べられずに)夜を過ごす。

残念ながら時間経過と共に症状が悪化してきて、痛みと嘔吐感でろくに眠れないまま、翌日の午前中にかかりつけ医へと這うようにして向かいました。
受け付けで「あれ、昨日検査に来ましたよね?」って受付で怪訝な顔をされる。
「検査の結果を聞きに来たんじゃなくて、実はこういう症状で…」と告げたら、慌てて「胃痛がある方は受け付けできないので、外に出てください」って言われてしまいました。

慌てて退出すると、受け付けの人も後から来てくれた。
熱はなかったし、咳も味覚障害などもなかったので大丈夫だろうと思っていたんですが、胃痛の場合は感染症の疑いが出てくるので受診不可ですと無情に告げられる。
他に診てもらえるような病院は近くにありませんか? と聞いても「他の病院のことは知りません」と。まあそうだよな。
かかりつけ医で発熱外来もやっているのを知っていたので「発熱外来は何時からですか?」と聞くと「午前はもう満了です」という返答。
午前はってことは午後もあるのかと思ってさらに訊ねると「三時から電話予約が始まります」。

な、何でそれを教えてくれないのだ。
と思ったら、「電話しても予約が取れるかはわかりません」だそうで…。
いやもう、どこの病院も大変なんだなあ。
蹌踉いながら帰宅して、三時からの電話予約の成功に一縷の望みをかける。

息も絶え絶えになりながらも三時を待ち、電話してみたところ、割とあっさり繋がりました。
「今日の分の診療を終えてからになりますし、それから何時に診られるかはお約束できません」と言われ、ちょっと気が遠くなるも、このままその日の夜を越えるのが怖ろしすぎて、何時でもお待ちしていますと答えて電話を切る。

そこからの悪化がまたひどく、もうずっと吐き続けている状態でした。
しかも吐き方がえぐい。昨日の夕方から何も食べてないし水も受け付けられなくなっているので吐くものなどないはずなのに、体の底から全身で絞り出すように何かの汁が出てくるのが毎度ながら謎である。
普通(?)の食あたりなんかだと吐くと楽になるもんですが、こういう時は吐くごとにガツンガツンと体力ゲージが削られていく感じなんですよね、全身汗だくで冷えまくるし。

胃痛も我慢できずにロキソニンを入れる。ブスコパンの方がいい気がするんだけど効いたためしがない。
痛みと嘔吐とどっちが辛いかな、どっちかを神様がなくしてくれるって言ったらどっちを選ぶかな、いや神様なんていないよハハハなどと一人上手をやっているうちにどうにか時間が流れ、五時半頃にやっと電話がかかってくる。
「まだ来ていただくことはできないんですが、電話口で予備診察を」ということだったので、現状を告げる。
ちょっとまだ診療が長引いているので(いつも滅茶苦茶混んでる病院なので)もう少しお待ちください、ということで一旦電話を切る。
そして次の電話を待っている間に、完全に嘔吐が止まずに呼吸ができないような状況になってきた。
前もこれでチアノーゼ起こしてんだよなまずいな、と思いながらも連絡を待つしかなく。
ようやく二度目の電話で「そろそろ順番なので病院に来てください」と言われた頃には、完全に呼吸が乱れてまともに話すのも困難になってしまっていた。
病院の人「その様子だと自力でうちに来るのは無理でしょう、救急車を呼んでください」

いや、しかし、かかりつけ医までは徒歩三分。
今月すでに一回救急搬送されているのにまたサイレンを鳴らして車がマンション前に停まったらご近所の手前…タクシー代わりに使う感じになるのも申し訳ない…などと益体もないことを気にしているうちもうまったく声も出せなくなったので、通りがかった同居人に電話を替わってもらう。

同居人「こういう時は救急車を呼んでいいんですよって言ってるよ」

そうですね。
たとえ徒歩三分の場所に病院があろうとも、もはや立ち上がれる気もしなかったので諦めた。
同居人がてきぱきと119番してくれました。
いつもすみません。

床にひっくり返ったまま救急車の到着を待つ。サイレンの音が聞こえると泣きそうに安堵するけど「ご近所のみなさんすみません」という気持ちにもなるな。
救急隊員がやってきて状況を告げると、前回は搬入先を決めるまでに結構な時間がかかったんですが、今回は熱がなかったおかげか割と短時間で搬入先が決まりました。

でも受け入れ先はまた隣町の病院だった。
車が出てから到着までの時間が長くて長くて、段差で揺れるたび、カーブのたびにダメージを受けつつ、救急車のアナウンスで道を空けてくれているらしい他の車の運転者の皆さんに心より感謝いたしておりました…本当にありがとう…幸あれ…。
あとまた付き添ってくれた同居人よありがとう。
いつも本当にすみません。

ようやく辿り着いた病院の処置室で、今回はやはり熱がないので割とすぐ各種検査の手続きが始まる(前回は陰性がわかるまで何もできずにベッドに転がっていた)。
今回もPCR検査と抗原検査をすることになり、PCR検査は唾液ですと言われたので、あの鼻グリグリがないのだと喜んだのも束の間、抗原検査は鼻グリグリだったよ。
鼻グリグリは痛いというか気持ち悪いから苦手なんですが、幸い他の場所が痛くて気持ち悪かったので、グリグリされても全然大丈夫でした。
それよりも、ずっと吐き続けていたので口の中が乾ききって、唾液がまったく出せない…。
長細い容器にほんの少し入れればいいだけなんですがそれすら出ない。
途中、レントゲンとかCTとか取るためにストレッチャーで運ばれていったんだけど、そのたび容器の蓋を閉め、また空けてどうにか検査分溜めようとするのに本当に出ない。
看護師さんに「頑張って! ゆっくりでいいからね!」って応援されて泣きながら、相当な時間をかけてやっと絞り出しました。キツかった。
陰性でした。よかった。

ちょうどお医者さんと看護師さんが交代の時間だったらしく、ベッドで点滴を受けながらヒィヒィ言ってる時に、引き継ぎの挨拶などをされたりした。
輸液されてもさほど症状が改善されなかったんだけど、引き継いだお医者さんから「検査の結果大丈夫そうなので、このまま帰ってください」と言われる。
ちょっと自力で歩けるかまだ不安が残るも、大丈夫っていうんだから大丈夫なんだろう、輸液のおかげで脱水症状も落ち着いたし、痛み止めと吐き気止めはもらえたから、どうせ寝て過ごすしかないなら家の方がいいし、同居人も付き添ってくれているから、と納得して病院を出る。

さすがに電車に乗れる気がしなかったので、タクシーを呼んで、帰宅。
いつもこういう状態になると数日は動けないので、申し訳なくも共用スペースである居間に布団を敷いて寝る(トイレに近いから)。
医者からは「ちょっとずつ食事も取って大丈夫」と言われていたけれど、とても何か口にできるような状態でもなく、薄めたポカリをちびちび啜る。
が、どんどん具合は悪くなり、見兼ねた同居人が「経口補水液を買ってくる」と家を飛び出るも、すでに薬局は閉まっている時間で、コンビニにも置いていなかったそう。

なので、手作りしてくれました。
塩と砂糖を配分してくれた温い水に同居人の愛情を感じた…。
何でこの人こんなによくしてくれるんだろう。
エチケット袋を作る仕種も手慣れてしまって本当に心苦しい。
ゲーゲー吐きまくっているので音も臭いも嫌だろうに、ごめんねごめんねと謝っても「音は気にしないし、どうせ水しか出てないから臭いもないし」と優しく答えてくれる…。
優しすぎて不安になる。大丈夫か、誰か悪い奴に食い物にされないか、いや食い物にしてるのは私か? いつか我慢の限界が来て猫を連れて出ていってしまったらどうしよう、猫を一匹ずつ分けるなんて話になったら私はどっちを選べばいいんだろう、どっちかなんて無理、だとしたら二匹手放して…? 無理死んじゃう…。

などと悲観的なことを考えたりしつつ、痛みと嘔吐でまた一晩眠れず。
朝を迎えてもあまりよくなっている気もせず、でもまあ薬飲んでればそのうち落ち着くはず…と自分に言い聞かせながらなかなか流れない時間に暗い気持ちになっていた時、急に知らん番号から電話がかかってくる。

いつもなら電話帳に登録してある番号以外出ないんですが、朦朧としていたせいか何となく虫の知らせのようなものがあったのか普通に通話ボタンを押していた。
電話をかけてきたのは、昨日搬送された時最初に診てくれたお医者さんでした。

「今日になって、検査の結果を改めて専門の先生にも見てもらったんですけど、よくない状態なので今すぐこちらに来て下さい」

あっ、そうなの?
どうりで辛いわけですね。

時間外で救急に運ばれた場合って、何科のお医者さんがいるのかわからんのですよね。
多分交代後のお医者さんが専門外だったようで、普通ならそのまま入院して治療始めないといけないところをそのまま帰してしまったから、交代前のお医者さんが慌てて電話してくれたらしい。

わかりました行きます、と答えて電話を切り、どう考えても駅まで歩いて電車に乗ってなどとできるはずもないので、同居人がタクシーを呼んでくれる。
同居人自身は、仕事もあるし、今回はついてきてくれなかった。
「私がいても何もできないし」って言われて、まあそうだよね、不安だけど仕方ないよね、そこまで甘えるわけにはいかないよね〆切近いって言ってたもんね。

ということで一人でタクシーに乗り込む。
隣町なのでやはり遠い。
前回の病院は片道六五〇〇円くらいで、今回は三〇〇〇円くらいだったのでそこまで遠くないのかもしれんが、救急車よりはまあ遅い。
でもとにかくちゃんと診てもらえるなら楽になるだろう、昨日はこのまま何の処置もされずに数日苦しいままなんだなと絶望していたがそれにくらべれば治療してもらえるあてがあるならありがたい、などと思いつつ病院到着。

また点滴とか検査の準備とかしつつベッドに横たわっていると、カーテンの向こうで昨日の交代後の医者が看護師さんに怒られていた。
「これは私じゃなくて、○○先生が言っていたんだけどね」
から始まるお説教をカーテン越しに聞いて震える。
こういう症状の時は、こういう検査をして、こういう結果だったらこうしないと…みたいなことを長々と告げられているのをカーテン一枚隔てて聞いている当事者の私ですよ。
これわざわざ聞こえるように言ってるのかな、怒られてますよってポーズを作って私が文句言わないように組織的に振る舞っているのかな、と思うような怒られっぷりでした。
私なら泣いちゃう。
まあ別のお医者さんが改めて電話くれて呼んでくれたからいいんですよ。
放っておいたらまずい状況だったっぽいので。

処置室で、昨日最初に診てくれた(電話をくれた)お医者さんから「入院してください」と告げられる。
「辛かったですよね」と慰められた…うん…辛かったね…。

検査の合間をぬって、同居人に「入院になりました」と連絡。
同居人は慌てず騒がず、
「だと思った。一緒に病院行ってまた家に戻って支度するのも手間だからついていかなかったんだ。で、前回と同じ感じで準備すればいい?」
と。
付き添いしてくれなかったことを不安がってすみません、というか本当にすみません、すっかりいろいろ…手慣れてしまって…。
心の底から感謝と反省をしました。

そういうわけで、前回同様同居人が何くれとなく入院準備をして、荷物を病院まで持ってきてくれました。
七月二回目の入院生活が始りです。

また長くなっちゃった。
もはや一回目と二回目の記憶が混じってしまってあやふやなんですが、入院中にあったおもしろかったこととか思い出したらブログに書こうかなと思います。
なお今はすっかり元気で、失われし体力を取り戻しつつある状況です。
仕事の予定がグダグダになってしまったのがとても辛い。がんばろう。

日常あれこれ

Posted by eleki