12月2週目に買ったまんが:「捨てられた皇妃(1)(2)」

買ったまんが備忘録

漫画:iNA/原作:Yuna

例によって例の如くInstagramの広告で試し読みして気になってほいほいと購入。

原作が多分韓国の小説らしく、漫画も韓国語で先行配信されている?
熱心な読者が日本にもいるようで熱いレビューブログを見た気がする。ネタバレを読まないよう薄目だったので定かではない。

韓国の小説らしいのに、いわゆる「なろう系」の転生もの、ライバルとなるのがどう見ても日本の高校の制服を着ている…というのがなんだか不思議でおもしろかった。
気になって韓国の女子高生の画像を調べてみたら、日本の制服よりも日本の制服っぽいというか、日本のアニメっぽいというか、コスプレっぽくてすごくかわいい。
おもしろいなあ!

内容は異世界転生ものといえば異世界転生ものです。
今は世界中でなろう系異世界転生が大流行というか、「漫画やゲームの中に入ってしまう主人公」という設定がものすごい人気になっているそうで(編集さんから聞いた話なので具体的にはわからないけど)何だ、みんな、そんな現世に疲れているのか…?
わかる。

「今の自分の環境を捨て、誰も自分を知らない世界で、特別な人間として生きたい」
「今の記憶を持ったまま、昔に戻ってやりなおしたい」
この辺は誰でも想像したことがあるんじゃないかなあと思います。
今だから流行ってるっていうより、「あ、これをおおっぴらに『楽しい』って言っちゃっていいんだな」ってみんなが気づいた感じではないだろうかと、勝手に思っている。
私も物心がついた高校生の頃(自我の芽生えが異様に遅かった)から、もう繰り返しそんなことばっかり考えています。
私がこの記憶を持って逆行できるなら、中学生の頃に戻って、部活なんかやらずにコミケに通うオタクになりたい…。

「捨てられた皇妃」は、これも最近よく見る、「主人公は異世界側のキャラクター・転生してきた側が悪者」パターンです。

異世界転生に詳しくないので貧相な知識で書きますけど、「現世から異世界に転生してチート能力を得て楽しく暮らす主人公」が、そのうち「本来なら異世界で悪役令嬢だったはずが、ヒロインとして活躍する」話に変化して、さらに「異世界からきた本来の主人公ポジションの少女が悪役になり、悪役令嬢(主人公のライバル)ポジションの少女がヒロインになる」というふうに、逆張り逆張りを経て変遷していっている気がする。

こういう、オリジナルの形から派生パターンが増え続け、勢いを増すうちにジャンルを形成していくのを目の当たりにできるのって、すごくおもしろいなあと思います。
もうありそうだけど、なろう系異世界転生ものが生まれてどういうパターンで広がっていったかを研究している同人誌とか読んでみたい。

「捨てられた皇妃」は、その「異世界からきた本来の主人公ポジションの少女が悪役になり、悪役令嬢(主人公のライバル)ポジションの少女がヒロインになる」話です。

ざっくりと序盤のあらすじを書けば、皇帝の妻になるべく教育されて育った少女・アリスティア。
アリスティアは神さまのお告げによって皇妃としての運命が決まったはずなのに、皇帝は突如として異世界から現れた少女美優を愛し、アリスティアを虐げ、美優を正妃にしてしまう。
美優の存在によりアリスティアは「嫌われ」、誤解されて、処刑されてしまう。
殺されたはずのアリスティアが目覚めると、九歳の姿に戻っていて、周囲の環境もその頃のものに戻っている。
逆行したところからが本番、という感じ。

現代?パートが結構長く、皇帝は陰をちらちらさせながらも絵に描いたようなクズ、美優もあからさまな悪役で、毅然としたアリスティアが酷い目に遭い続けるのが結構なストレスながら、ここまでやってるんだから爽快な「ざまぁ展開」があるだろう、とむしろワクワク気分で読めたりもします。
美優視点ではアリスティアが冷たく酷い女なんだろうなあ、と思うとさらに胸糞悪くておもしろい。それはそれで読みたいのでぜひ本編に入れ込んで欲しいです。

最近見るパターンでは、「恋人に捨てられたヒロインが違う男性に選ばれ、男女問わずいろんな人に愛されて逆ハーレム状態に」「貴族ではなく市井の人間として平凡だが幸せな暮らしを得る」というのが多く、私はどちらかといえば前者のパターンが好きなんだけど、「捨てられた皇妃」はそのどちらでもない、「えっ、そっち!?」と驚くような道をアリスティアが進んでいきます。
ネタバレになっちゃうから書かないけど、試し読みから誘導されてピッコマの連載を読んでいる途中でちらっと先の展開を目にしてしまい、正直「マジかよそりゃねえだろ」と思いました。
真偽を確かめるために感想をいくつか読むうちに先が気になって、本を買ったという。

「マジかよそりゃねえだろ」というところまで、コミックスではまだ辿り着いていないんですが、九歳のアリスティアが歩み出した道がこれがもうたまらんくらい大好きな方向性で、先が気になって仕方ないです…。
何とかして韓国語の連載バージョンを読めないだろうかと思ったけれどハングルさっぱりわからないし、そもそもどこで連載してるのかもわからなかった。
別の作品でも先が気になって韓国のサイトで読んでみたりしたけど、漫画だと画像なので翻訳機にかけることもできない。さわりだけでもハングル語を学ぶべきだろうか。

つい今し方、三巻のおしらせが届いたんですが、発売が2月だそうなので待ち遠しすぎる。

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