買った漫画備忘録「タイムスリップオタガール(1)~(6)」


現代が舞台の逆行もの。同居人に勧められて途中まで借りて読んだけど、続きが気になったので自分でも買う。

アラサーのオタク女が、夏コミの帰りの国際展示場駅のホームから落下して電車に轢かれて死んだ…と思ったら、コミケ前日に観た2.5ミュージカルの上映会場に逆行して、「お得やん!」と二回目の観劇を楽しむが、その後もコミケ直後に死んでは「まだお宝同人誌を読めていない…!」という心の叫びと共に繰り返し逆行し続けて、とうとう中学時代まで戻ってしまう。
という初手から笑いが止まらない逆行ぶりです。

主人公のはとこちゃんは絵に描いたようなキモオタで、語尾が「ござる」だったりする、最近のライト層とはひと味違い飛び抜けた天才キモオタです。大好き。
中学時代はオタクで暗いからと一部男子からは軽くいじめられていて、「はとこに触られたらばい菌がつくぞ!」みたいな極めて低次元なイジりをされていたんですが、中身がアラサーはとこは「男性声優さんたちが女子キャラに声あてるアニメ」の妄想に忙しくて男子の話をてんで聞いてない…天才…。
そしてそこそこにおばちゃんなので、それ以外の男子の暴言もまったく刺さらず何もかもを聞き流して(聞き飛ばして?)、周囲から驚かれるという。
さすがに直接面と向かってdisられた時、相手が中学時代にことさら自分をいじめていた男子であることを思い出して怯えはするんですが、中学生男子の「バーカ!」「キモイ!」しか言えない貧困な語彙に「かつてダメージを受けていたであろ言葉がなんか想像よりちゃちい…と気づいてしょっぱい気持ち」になり、怯えが吹き飛んでしまった。

このいじめっ子の長谷川君も、また絵に描いたようなクソガキで本当に中学生か? メンタル小学生レベルじゃないか? と思いながら読んでいたんですが、巻を追うごとにちゃんと(?)クソガキのままいい奴になってきて、今やはとちゃんの次に好きなキャラです。普通にはとこを邪険にしつつも、はとこの話を聞いてあげてるところが本当にいい奴。

中学生時代に戻ったはとこは当時の夢、「漫画家になりたい」を思い出し、一度は諦めてしまったけれど、「30歳の画力ならいけるのでは…!?」とBL漫画をコツコツ描き始めます。
それを同級生のリュータに知られ、気持ち悪がられると思いきや純粋に応援されて、夢中になって漫画を描き続けます。
リュータもいい奴…はとこに対してドキドキする場面が多いのに、肝心のはとこにとっては、アラサーから見た男子中学生でしかなく、ただそのおかげで屈託なく交流できるから、リュータにとってはさらにドキドキしてしまうという…不憫…フラグ立たない…。

あとは、本来なら高校で進路が分かれて疎遠になっていった女の子の友達ともオタ活でもっと親しくなり、当時は気づかなかった学校の先生たちの気持ちに気づくことができたり、学校での人間関係はとてもいい感じに充実していく。

家庭内は家庭内で、亡くなったはずのおばあちゃんと再会できて喜んだり、厳しかったお母さんの親心も(中学生当時よりは)理解できるようになり、うまく流れていきます。
勉強もせず散髪もお風呂も面倒がって反抗的だった娘が、積極的にお手伝いをして、勉強も頑張って、という姿を見て、お母さんは「あの子変わったわね」と嬉しそう。

変わったわねといえば、中学時代の授業が、今のはとこには今さら滅茶苦茶面白く感じるんですよね。
もうここがわかる、わかりすぎる、中学時代は退屈で隙あらば落書きとかしてたけど、大人になるとどの教科も「もっとちゃんと聞いておけばよかったなあ…!」って悔やんでます私も。でもこれ、教える側のアプローチにも問題あるんだろうなあと大人になってから常々思っている…興味の持たせ方が下手すぎないか日本の学校教育。今の知識を持った状態でもう一度義務教育を受け直したい…。
話が逸れた。
ともかくはともこそんな感じで、「学校の授業っておもしろい!」と真面目に、生き生きと勉強を受けるようになり、職員室での評判も上がっていく。

オタ活も頑張ります。友達のオタクたちと合同コピー誌を作って、地元の即売会に出たりします。
もう楽しそう。羨ましい。

私はしょっちゅう、「中学時代からもう一度人生をやり直したい」と願い、よくその妄想をしています…もう一度やり直せるなら、絶対に、絶対に、運動部になど入らずオタクになるのだ。
中学の頃からコミケに行って、漫画なり小説なりを書いて、サークルデビューするのだ。
本当は漫研に入りたかった。コスプレ衣装とかも作ってみたかった。同人作家同士の揉め事とか体験してみたかった。カップリング観の相違で掴み合いのケンカをしたり。

…という個人的な夢と希望がいっぱい詰まった漫画がこの「タイムスリップオタガール」です。面白くないわけがない。
もう羨ましくて羨ましくて仕方がねえ〜〜〜。

逆行ものなので、当然ながら一度通ったルートと別ルートに向かい始めてしまい、「この先出会うはずだった人と出会えなくなる」ことや、今まで起きたはずの出来事がなかったことになってしまう、そして「自分が行動を変えたせいで周りの人たちに本来起こるはずでなかった悪い影響が出てしまう」ことにはとこは葛藤するように。
そして、アラサーの知識と知恵でうまく立ち回れてしまったがゆえに、お母さんとの辛い行き違いが発生してしまう…はとこの気持ちもお母さんの気持ちもわかるだけに最新刊のこれは本当に辛かった。

最終的にはどこに落ち着くのかな、というところが一番気になります。元に戻って中学時代に取りこぼしてしまった夢や人間関係を改めて手に入れるのが綺麗な終わり方なんだろうけど、今のはとこの生活があまりにキラキラしていて、それが「なかったこと」になってしまうのはなかなか辛い…。

ちなみに私が逆光を妄想する時、最終的には今の自分に戻ってきます。
だってこの家でサビねこ姉妹と一緒に暮らしたい…。なので逆行っていうかバーチャルとして体験したいだけで、特に人生は変わらなくていいなと思う…サビ猫いない人生考えられない…。

はとこはどういう終着点に辿り着くのか、楽しみに見守りたいです。

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