買った漫画備忘録「アメコヒメ」「カナリアたちの舟」「そのへんのアクタ(1)」「うたかたダイアログ(1)~(4)」「マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~(4)」


最近の私が強く強く推している学園まんがのひとつが「スキップとローファー」なのですが、同作者の過去作があると知って購入。
作者のTwitterでこちらの漫画が投下されていたおかげなんですが。

あ、もともとはこういうのを描く人なんだ…! と慌てて「アメコヒメ」「カナリアたちの舟」を購入、両方読んで、「なるほど…!」と膝を打つ。
そうかそうかこういう系譜か!
スキップとローファーがあまりに完成度の高い、硬軟両様をバランスよく取り混ぜた、一見口当たりがよさそうなのにヒリヒリするところがしっかりある造りの漫画なので、「この作者は一体何者だろう…!?」と思っていたんですが、過去作を読んで納得しました。
というかスキップとローファーの掲載誌がアフタヌーンということすら最近知った…なるほど…なるほどなあ。
ひぐちアサが「おおきく振りかぶって」の前に「ヤサシイワタシ」を描いていたように、高松美咲は「スキップとローファー」の前に「アメコヒメ」「カナリアたちの舟」を描いていたんだなあ。
というあたりでものすごく納得した二冊でした。
スキップとローファーがより味わい深く感じる…。


よい漫画。

氷室冴子でいえば、「クララ白書」の前に「さようならアルルカン」「白い少女たち」を書いていた、みたいな…。


スキップとローファーもカナリアたちの舟も愛しいです。
何回でも書いてしまうがスキップとローファーはすばらしい学園青春漫画なので、そういうのが好きな人で未読の方は読むべき。


 


これも作者さんの漫画ツイートがタイムラインに流れてきたので興味を持って。


伊豆に現れたエイリアンだからイズリアン、というところでもう「大好き!」となったんですが、お話もすばらしかった…。
イズリアンが跋扈していた世界では最強のヒーローだった男が、「イズリアンがいる」ことを当たり前のように受け入れた世界で居場所をなくしてしまい、鳥取に飛ばされてやっと人間らしい人生を送っていく…というか男児から人生をやり直す感じのお話。一話読めばわかるか。
何かこう、今の世の中の状況ともシンクロして、しみじみ読んでしまった…withコロナならぬwithイズリアン。
台詞のひとつひとつ、エピソードのひとつひとつが染み入るのですが、一番沁みたのは芥さんの包帯の理由と、百福さんの「強さ」ですね…大変沁みました…繰り返し読み返してしまう…。
ライトに描写しているけれど書いてあることは深いという、大好きなタイプの漫画です。一冊あっという間だったので、二巻以降も大変楽しみです。


で、「そのへんのアクタ」を読んだ人たちが「うたかたダイアログの人か!」と言ってたので、そちらも購入。
高松美咲さんのことがあったので、これも過去作のテイストから芯は変えずにキャッチーなイメージに変換されたパターンかな? と思いつつ読んでみたら、芯もテイストもそのままに掲載誌が変わったというパターンだった。
もともとは花とゆめか。これも、なるほど~! となりました。もともとの作風を、少女漫画から青年漫画に落とし込んだらこうなる、というその変換方法がとても巧みで興味深い。
とはいえ「少女漫画」と聞いて大体の人が思い浮かべるであろう物語や人物造形とは若干異なった、でも花とゆめに載ってるなら納得、というような、楽しいお話でした。


とても美しい最終巻だった…。
最後の、マキさん視点のマミちゃんとの馴れ初め(馴れ初め?)を読んだら、何だか、泣けて泣けて仕方がなかった…。
すばらしきオタクたちの物語でした。マキさんとマミちゃん、それに弟さんたちも、この先死ぬまで魂は自由な、たまにこだわりが強すぎて不自由なオタクとして生きていくのであろう。
二人のお話をずっと読んでいたかったけど、この先も楽しく過ごしていくのだろうなと確信が持てるので、寂しくはない…いや寂しいけど我慢できる…。