元魔王の逆行魔術師は恋と快楽に堕ちる/新書館ディアプラス文庫/渡海奈穂 恋した王子に義母上と呼ばれています/新書館ディアプラス文庫/渡海奈穂 兄から先に進めない/新書館ディアプラス文庫/渡海奈穂

2023年お仕事まとめ

文庫

新書館ディアプラス文庫

キャラ文庫から一冊、ディアプラス文庫から一冊で計二冊です。
少な!
お手に取ってくださった方、ご感想送ってくださった方、どうもありがとうございます。

「死神と心中屋」は、大人のバディもの書きたいな+不思議系やりたいなが合わさってできたやつで、キャラと設定共々気に入っています。
嬉しいことに反響も(私にしては)多くて、続き読みたいって言ってくれる方がちらほらいらっしゃって嬉しいうえに、実際雑誌の方で番外編書かせていただいたのですごく印象深いですね。

「兄から先に進めない」は、これはこれでまあTHE私っぽい話だなと。放っておくと一生こういうの書いてしまう…。
ここかブログかで「文庫にはならない前提です」って書いた気がする。私の書くものはどうも好き嫌いが分かれてしまって、これは多分苦手な人が多い話だろうなあという予測がついていて、でも書きたいので雑誌のみという前提で書かせてください、みたいなやり取りをした記憶がある(編集さんと)。
ディアプラスさんでは結構こういうことあって、実際文庫化打診されても断り続けたままだったお話もあるし、予想外に読者さんが受け入れてくれたのに勇気をもらってビクビクしながら文庫化したものもあったり、いろいろ思い出深いです。来年ファイナルを迎えると、こういうやり方で好きなものを書かせていただく機会も減っちゃうんだな~…というのが個人的に一番寂しかったりします。
兄弟ものとか受けがアレだったり攻めがアレだったりする話は、これで本当にもう商業ではやらないだろうと思います。という記念の一冊でした。

雑誌

文庫あんまり出なかったけど雑誌は結構書かせてもらいましたね、

といってもこの辺りは入院が重なって体調的にどうにもならず前後篇に分かれてしまっただけなので、本来一回で終わるはずでした。
でも「何でこれが一回で終わると思った?」というページ数だったので、もしかしたら体調が良くても前後篇になってしまったかもしれない…。
異世界転生ものが大好きなので書けて嬉しかった一作。アヴェルスが攻めとしては(というか私にしては)恰好よくかけた自負があるんですがどうですかね! そうでもない!?
恵那の普通っぽいのに何かちょっと変、みたいな性格も割と思ったとおりに書けたし自分で好きなタイプにできたので、この二人もすごい気に入ってます。
来年三月に文庫が出るのでよろしくお願いします。総括と見せかけた巧妙な宣伝。

これも雑誌だから書けた話だな~。BLっぽさと家族ものの狭間で揺れ動きつつ好きなように書いて、私はすごく好きだけど読んでる人はどうなんだ…もうちょっと読み手のことを考えるべきでは…? と思わないこともないんですが、でもこういうのが好きな人が世界のどこかに少しだけいてそういう人に届けばいいなあという割と真摯な願いの元に編集さんの元へ送られたお話です。
「子育て疑似家族ものを書きます」と予告してあったんですが、「何か思ったのと違った」と編集さんに言われた。私も言われる予感がしていた。辛く楽しく書きました。

死神と心中屋番外編。上の記事にも書きましたが番外編というよりもはや続編ではというボリュームですね。いっぱい書いていいと言われてワーイと書いてしまってすみません、さすがにここまでは…と担当さんも思っていたのでは疑惑。楽しかった。
やっぱりこの二人の話はもうちょっと書きたい感あるので何とかしたい。

コミックス


別名義ですが原作を担当している漫画の単行本が出て嬉しかったです。
連載も今年から始まってますね、ゼロサムオンラインで毎月掲載、その後各電子配信サイトで単話配信もやってますので、ご興味ある方はお使いのサイトから検索してみてください。
漫画は小説と全然作り方を変えているので、毎月シナリオを書き下ろしていくのはすごく新鮮で面白いです。
これは漫画にした方がおもしろいだろうなって話が結構あるので、原作のお仕事ももっとできたら嬉しいなと思っている。


あと構成・シナリオ担当している作品のコミック4巻も発売しました。隔月誌の「ウイングス」で連載中です。

という感じの一年でした。
イラストや作画を担当してくださった方々、編集部の皆様、その他作品がみなさんのお手元に届くまでに関わってくれた方々に、もう深く深く感謝するしかない昨今です。紙でも電子でも、読者さんに届くまで、届くようにするための努力がより必要になってきたなあと実感するにつれ、本当に足を向けて寝られねえ…。
そして何より読んでくださった皆さん、のみならず手書きでご感想を送ってくださったり、Twitter(現X)などでハッシュタグを使って投稿してくださったり、フォームなどから反応してくださる皆さんに、たくさんたくさんありがとうの気持ちでございます。

 

ここから小説ディアプラスさんのお話になりますね。
すでにお知らせが出ていますとおり、次はファイナル特大号です。
私も長らくお付き合いのあった雑誌なので一区切りというのはとても寂しいですが、ディアプラス文庫は残りますし、次号『特大号』というところで大勢の作家さんが参加される予定ですので、楽しみにしていてください。
何でも書いていいよと言われたので私も楽しみです。

紙媒体で雑誌がここまで続いたのも、ひとえに今まで買い支えてくださった読者のみなさんのおかげだと思います。
私も号ごとのアンケート(ご感想)にものすごく励まされました、ありがとうございます。
ハガキで書いたやつをね、担当さんがコピーしてまとめて画像にして転送してくれるんですよ。基本あんまりご感想っていただけないんですが、雑誌に載った時ってものすごくたくさんたくさん反応をいただけるので、すごく嬉しかったです。
手書きでコメント書いて、切手貼ってポストに投函して、ってすごく重労働だと思うんですが、送ってくださった方、送り続けてくださった方、本当にありがとうございます。送ってくださった方には何かいいこといっぱいあれ! っていつも思ってます。

地味かつBL臭が薄いエロが薄いキャラが何か嫌と言われ続ける私のBL作家人生で、ディアプラスさんが寛容に受け止めてくれるから書けた話もたくさんあります。
タイトルによっては雑誌だからこそチャレンジが許されたみたいな部分もあるので、そういう機会が潰えてしまうのは本当に残念ですが、そういうのを除いたとしても書きたいものやってみたいことはまだまだたくさんありますし、前述の通りディアプラス文庫はこれまでと変わらず発行していくそうですので、今後とも一緒に応援していただけると、BLファンとしてもすごく嬉しいです。
今後ともお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

っていうのを次号のおしらせが出たあたりで言おうと思ったんですが、何しろ手許の原稿がいかんともし難い状況で言いはぐった…(ので、上の雑誌掲載のとこで言ったことと重複しててすみません)。

 

去年の秋に加えて今年の春も入院する羽目になってしまって、あとちょくちょく体調を崩して寝込んだりもしていたので、そのたびもうゴンゴン体力が削られて、今年の10月くらいまで本当に体を起こしているのも辛い状況だったんですが、最近はだいぶ動けるようになりましてね!
椅子に長い時間座っていられるようになったし、小説を書く体力もだいぶ戻ってきたなという感じなので、来年はもうちょっと手数を増やして作品をお届けできるよう頑張りたいです。
オリジナルの同人誌も再開したいですね。Jガーデンに出たい、3月はさすがに無理だけど、10月辺りを目処にまた申し込みしてみるつもりです。
探険隊をまだ書くつもりがあるんですよ私は。びっくりか?
ただでさえ書きたい話が溜まってるのにまだまだ出てくるので怖いけど、さっさと書いてしまわなかったがためにもう書けなくなってしまった話もあるので、ほんとどんどん書いていかないといけないなぁと改めて思います。まずは健康。健康と体力を取り戻して、来年こそもうちょっといっぱい書ける体制を整えたいです。頑張れ。

そんな感じで、そこそこ頑張りつつも基本的には低空飛行の一年でしたが、お付き合いくださったみなさま、どうもありがとうございました。
来年も何卒渡海奈穂とデンノウエレキングと電気犬文庫をお願いいたします。

よいお年を!