徒労の日

昨日、見ようと思っていた古刀剣の展示がこの日までだというので、午前中にぶらっと出かける。
家から歩いて二、三十分の場所にある「○○の▲」という場所に展示場があるというので、天気もいいし、散歩がてらのんびり歩いて行くが、案の定迷う。迷うのは慣れているので平気です。二、三十分のところを四十分くらいかけてやっと受けつけに辿り着いたら、「その展示は□□の▲でやっていますよ」とのこと。
○○と□□を勘違いしていたようです。紛らわしい名前だなあもう。
徒歩で来た、と伝えると、受けつけのお姉さんが「それならいったん駅までバスに乗って、そこでバスを乗り換えるといいですよ」と親切に教えてくれるが、わたしはあんまりバスが好きでなくて(酔うし)、もうついでだから歩いてしまおう、てくてく駅まで戻る。
出かけたのが十一時過ぎ、十二時四十五分の純情きらりの再放送に間に合うように帰ってこようと思ったのに、その時点ですでに間に合わないことが確定。
諦めて、式部さんにビデオを頼むと、とりあえず駅に向かおうと歩き出す。
途中でドン・キホーテが目に入り、そう言えば鉛筆立てが欲しかったんだよな、そのくらいなら荷物にならないからいいか…とつい立ち寄って、ぺもたの浴び砂とビタミン剤と、自分用の化粧水をと水を買って、

鉛筆立てを忘れて店を出る。

荷物が思いし純情きらりが気になったので、駅に行く前に式部さんの家に寄って、ビデオを見つつ休憩、ついでに「□□の▲」への行き方をネットで調べてもらい、自分ちの郵便受けに買い物を放り込んで再び旅立つ。
暑さと歩きづめなことで疲れてしまい、ポリシーを簡単に曲げてバスに乗る。

降りる場所をどうやら間違う。「□□の▲西」という停留所があったので迷わず降りたのですが、別に近くに「□□の▲」があるわけではなさそうだった。
降りたらこんなとこ。

都内です。

仕方なく、道路の案内を捜して歩く。三時少し過ぎにやっとチケット販売窓口に到着。
「刀の展示を見たいのです」
と窓口のお姉さんに言うと、
「今日は最終日なので、展示は三時に終了して、今は片づけています」
だそうでした。思わずげらげら笑ってしまった。

バス停に戻ろうとするも、やっぱり□□の▲到着までに迷っていたので、みつからない。彷徨っていると、軽トラに乗ってニッカポッカ+頭にタオルを巻いています的なお兄さんに「駅まで乗せてってあげようか」と声をかけられるも、丁重にお断りする。というか運転席にも助手席にも人がいるんですがどこに乗れと。荷台か。

乗ってきたのと別の路線のバスはあったが、発着は一時間に二本。タクシーでいいやもう、と思って捜して歩くものの、そもそも車が通らない。さっき荷台に乗らなかったことを後悔する。
それでも道路の表示を見ながら無心で歩いていると、遠くに、見覚えのあるデパートの屋上が見えた。あそこまで辿り着けばあと二十分くらいで自分の家だ。
元気を出して歩き出す。しかしデパートの方向へ続く道がなく、それよりも左(道を右とか左で表現するなという意見をわたしは嫌う)に逸れた道しかないので、仕方なくそちらへ向かう。
しばらく歩いたのち、そろそろ右に戻らないとデパートのある方には辿り着かない気がして、適当な道で右に曲がる。
そのままてくてく歩き、歩き、歩き、気づいたらデパートが自分の斜め後ろの方にあった。
びっくりして、方向修正、方向修正、と唱えながら歩いているうち、デパートの姿そのものが消えてしまった。

歩いているうち、線路が見えたので、線路沿いに進む。
どっちに向かっているのかこの時点でもうわかりませんでしたが、どっちにしろ駅があれば電車に乗れるのでどうでもいいや、と歩いていると、見覚えのあるデパートを発見。見失った姿です。無事デパートに到着。
デパートの裏にねこがいました。

デパートからバイト先に行く途中、お祭りをやっていました。逆上して(わたしはおまつりが大好きです)、とにかく腹が減ったので、焼きそばを買う。
これから人に会うのに、自分だけ食べ物を買っているのはいかにも不味い、と思い、おみやげに今川焼きを人数分と、ゆで栗を一キロ買う。

ゆで栗美味しゅうございました。何で栗なのかというと、やっていた祭りが栗まつりだからです。
結局目的の展示は見られませんでしたが、道に迷っている間、広い公園であまたあるベンチのひとつに、背広姿のサラリーマンふたりが座って缶コーヒーを飲んでいる姿などが見られたので、いい日だったと思います。何でだろう、ベンチの端と端に、不自然なほど離れて座ってるのに、ふたりとも何となく体は内側を向いて、ぎこちない感じに喋ってるんです。
どう見ても恋の始まりでした。昼間っから何やってんだおまえら。

日常あれこれ

Posted by eleki